
頭痛には大きくわけて2種類あります
- 1次性頭痛 : 器質的な原因がない頭痛(いわゆる頭痛持ちの頭痛)
- 2次性頭痛 : 明らかな原因がある頭痛(くも膜下出血、脳動脈解離、脳腫瘍など)
まず、これまで経験したことのないような頭痛が突然に起こった時は、くも膜下出血などを疑い、病院受診することが大事です
では、頭痛について、代表的なものについてみていきましょう
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片頭痛
最もよく聞く頭痛です
典型的には、頭の片方がズキズキと脈を打つように痛むことが特徴です
閃輝暗点といい、頭痛の始まるすぐ前に、目の前がモザイクのように光ったりする症状が出ることがあります ないこともあります
片頭痛の特徴として、運動、入浴、などで頭痛の症状が悪化します
吐き気を伴うことも多いです
光や音、匂いなどに敏感になって頭痛がひどくなることがあります 部屋を暗くしてじっとしていることで痛みが軽減してくることが多いです
発作は4-72時間程度続いたら自然に回復することが多いです
HIT-6 頭痛による生活支障度の把握
- まず、頭痛で、どれだけ生活に支障がでているのかを知ることが大事です
- そのために、HIT-6という指標があります
- HIT-6をやってみてください
- どうでしたか?
- 点数が50以上であれば、頭痛により生活に支障が出ていると考えてよいですので、頭痛外来で相談してもらうのが良いと思います
MIBS-4 頭痛がないときの生活への支障の評価
頭痛がないときでも、不安などから生活に支障が出ている場合があります そういった場合にも、しっかりと予防治療を導入することによって、生活の質が改善する可能性があります
MIBS-4という指標で、調べることができます
MIBS-4で、3点以上であれば、対処法や急性期治療の見直しに加え、予防治療を見当した方がよいとされます
治療法
ロキソニンなどの鎮痛薬で治る場合はそれで経過を見ます
発作が起きた時にトリプタン系の薬を内服することにより痛みが抑えられるため、処方することがあります
発作回数が月に何度もあり多い場合には、発作予防薬の内服を行うこともあります
塩酸ロメリジン、バルプロ酸、ベラパミルなどがあります
それでも発作回数が多い場合には、注射薬としていくつかのものが発売され始めました
緊張型頭痛
これも多い頭痛です
症状は、後頭部から頭頂にかけて、きついヘルメットを被っているような締め付けられるような頭痛が特徴的です
片頭痛の特徴の、吐き気や、刺激過敏などの症状はみられません
治療法
ストレッチをしたりするのが有効です
筋肉の緊張を和らげる内服薬を用いることもあります
群発頭痛
頻度はあまり高くありません
ものすごく痛く、叫んで暴れるくらいです これは、片頭痛とは反対の特徴になります
片目をえぐられるような激しい痛みで、涙、鼻水、目の充血、などが特徴です
男性に多く(男女比5:1)、1年ごとに起こり、1−2ヶ月の間毎日続きます 1日1−2回の発作です
治療法
酸素投与
トリプタン系の薬の注射、鼻からのスプレー投与
予防として、ステロイド内服、片頭痛の予防薬
などが用いられます
薬物乱用頭痛
頭痛のため、毎日のように鎮痛薬を内服していると、薬により頭痛がひどくなる薬物乱用頭痛である可能性があります
頭痛外来受診して、適切な診断と治療を受けることが重要です
二次性頭痛
脳動脈瘤が破裂して起こるくも膜下出血が代表的で、これは、命に関わる病気でとても怖いです
突然発生した(何時何分何秒までわかることが多い)これまでにないような激しい頭痛はくも膜下出血の可能性が高いので救急車呼んでもらって良いと思います
その他に、脳腫瘍、髄膜炎、自己免疫疾患など、はっきりとした頭痛の原因がわかったものは二次性頭痛と呼びます
どんな時に受診したら良いでしょうか
くも膜下出血を疑う場合には救急車を呼んだ方が良いと思います
その他にも、発熱を伴う場合や、首が硬くて顎が胸につかない、などは髄膜炎の疑いがあり受診した方が良いです
頭痛外来、脳神経外科、脳神経内科などを受診して、しっかりと診断をつけてもらうことが重要です