目次
治療の目的
医学的管理の一般原則
ADの長期介護やBPSDに対する対応は介護者に大きな肉体的・精神的負担を強いる
負担の分担、精神的サポートなどの支援が重要
正確な診断と、精神症状・行動障害の客観的把握が基本
認知症の診断と病態、予想される経過と治療については、早期に本人、家族に告知するのが望ましい
介護保険、成年後見制度、かかりつけ医、ケアマネージャー、地域における公的支援制度、老人介護施設やグループホーム、家族会、支援組織などに関する情報を定期的に提供する
精神的ケア
軽度から中等症認知症患者には、デイケアを利用した在宅介助を行い、運動療法、回想法やレクリエーションなどを行う
その他に
行動療法:異常行動の誘引や環境因子の発見・除去、介護人への教育など、環境整備により、患者の残存能力を引き出す
回想法:個人やグループで昔話など、過去の記憶を刺激する療法
reality orientation:時間場所、対人関係の見当識、状況把握によって、患者の自己規制や自尊心回復を目指す
音楽療法:認知症患者における興奮や感情障害に効果が期待
歩行や適度の運動: 週3回以上の歩行程度の運動が、認知機能の低下防止に有効であると報告されている
ペット療法
確認療法:患者の会話を繰り返すなど、確認・需要して患者の安心感を促進する
介護者に対するケアと教育
認識行動療法:介護者負担軽減のための短期教育や支援プログラムが期待
長期教育プログラムは施設入所を遅らせ、介護者の健康にも有用である
介護者へのカウンセリングは施設入所を遅らせる
薬物療法(抗認知症薬)
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
ADの治療薬として、認知機能の改善のために臨床で実際に使用されている薬剤はアセチルコリンエステラーゼ阻害薬で、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミンの3種類がある
副作用として、上腹部痛や食欲低下、突然の嘔吐などがあり、注意して経過観察する
アリセプト®(ドネペジル)
- 平成11年に発売され、認知症薬では最も古い
- 3mg,5mg,10mgの錠剤があり、通常は5mg,重症は10mgが定期内服容量
- レヴィー小体型認知症の治療薬としても唯一認可
レミニール®(ガランタミン)
- 平成23年に発売
- 軽度および中等度のアルツハイマー型認知症に対する認知症症状の進行抑制
- 4mg,8mg,12mgの錠剤あり
- 朝夜1日2回 4mgを1日2回から開始し、最大で12mgを1日2回まで増量する
リバスタッチ®、イクセロンパッチ®(リバスチグミン)
- 他の薬剤と違い、貼り薬であることが特徴
- 4.5mg, 8mg, 13.5mg, 18mgのものがあり、徐々に増量していく
- 1日1回4.5mgから開始し、4週ごとに4.5mg増量し、維持量として1日1回18mgを貼付する
- 患者の状態に応じて、1日1回9mgから開始し、4週後に18mgに増量することもできる
NMDA受容体拮抗薬
メマリー®(メマンチン)
- 1日1回5mgから開始し20mgまで増量します
- 腎排泄のため、クレアチニンクリアランス30未満では半分量にします
- 中等度から高度のアルツハイマー型認知症に適応となっています
- 主な副作用にめまい、便秘、体重減少、頭痛
NMDA受容体は、神経伝達物質グルタミン酸の受け皿です
アルツハイマー型認知症では、グルタミン酸の働きが乱れます
メマリーはグルタミンの働きを抑えることで、症状をおさえます
患者さんのイライラした感情を抑え、気持ちをおだやかにしてくれる働きがあります
抗アミロイドβ抗体薬
レケンビ®(レカネマブ)
2023年に承認された新薬です
アルツハイマー型認知症の原因である、アミロイドβタンパク質の蓄積に直接作用し、記憶力の低下や判断力の衰えなどの症状進行を遅らせます
脳内のアミロイドβ蛋白質の中でも、プロトフィブリルという中くらいの塊や、より大きな塊のアミロイド斑を取り除く作用をもっています
2週間に一度を目安に投与します 点滴薬で、約1時間かけて投与します
使い始め初期に、頭痛、発熱、吐き気などが現れたり、数ヶ月以内にARIA(脳の腫れや微小出血)が観察されることがあります
投与にあたり、チェック項目があり、認知機能検査MMSEが22点未満の症状進行した方は適応がありません 症状が軽い方が対象になります
ケサンラ®(ドナネマブ)
2024年9月に承認されました
レケンビと作用は同じですが、アミロイドβプラークに作用します
MCIまたは軽度認知症が対象
4週間間隔で点滴投与を行います
アミロイド関連画像異常(ARIA)について
- ARIAとは
- アミロイド関連画像異常 アミロイドβが関与して起こるMRIの異常所見
- ARIAの発症機序は
- 抗アミロイドβ抗体を介して血管壁に沈着したアミロイドプラークが除去される際、血管壁の透過性が破綻し、タンパク液や赤血球が血管外に漏出することで発症する
- ARIAのタイプは
- ARIA-EとARIA-Hに分類され、それぞれ浮腫と出血を反映する
ARIA-E
- 頭頂葉、後頭葉、前頭葉の脳実質を中心としたFLAIR画像の高輝度領域(浮腫)
- 髄軟膜においてFLAIR画像で認められる高輝度領域(浸出液貯留)
ARIA-H
- 脳実質内においてT2*またはSWIで認められる直径10mm以下の丸い低輝度病変(微小出血)
- 髄軟膜においてT2*またはSWIで認められる、曲線状の低輝度領域(脳表ヘモジデリン沈着症)
ARIAのリスク因子
- APOEε4遺伝子アレル
ARIAの実際
- ATTによりARIAを発症したほとんどは無称光
- しばしば一過性で、治療早期に発症する傾向があり、治療の継続ともに減少
- 頭痛、錯乱、めまい、悪心、歩行障害などの症状が現れる場合がある
- まれに痙攣、てんかん重積状態など重篤で生命を脅かす場合もある
重症度の評価(MRI所見による分類)
重症度 | MRI画像所見 |
軽度 | 脳溝、皮質、または皮質下白質の1箇所に限局した、5cm未満のFLAIR高信号 |
中等度 | 最大直径が5-10cmのFLAIR高信号が1箇所にみられる、または10cm未満の高信号が複数部位にみられる |
重度 | 10cmを超えるFLAIR高信号で、脳回腫脹および脳溝消失を伴う、1箇所または複数箇所に独立した病変を認める |
重症度 | MRI脳微小出血 | MRI脳表ヘモジデリン沈着症 |
軽度 | 新規が1-4個 | 1箇所 |
中等度 | 新規が5-9個 | 2箇所 |
重度 | 新規が10個以上 | 3箇所以上 |
ARIA発現時のモニタリングとマネジメント
- 症候性の場合、症状および画像所見消失までATT投与中断または中止
- 発現から2−4ヶ月後にMRI検査
- 画像所見の消失・安定化を確認した場合は投与再開を見当
- 無症候性の場合、軽度のARIAであれば、投与継続の可否を検討し、継続する場合は特に注意深く経過観察し、発現から1-2ヶ月後にMRI検査実施を考慮
- ATT投与を継続し、ARIA-EのMRI画像所見消失またはARIA-Hの画像所見が安定化した場合、毎月のMRI検査を中断
- 中等度、重度のARIAの場合は、画像所見消失・安定化まで投与中断 その場合、発現から2−4ヶ月後にMRI検査実施し、よければ投与再開を検討
いずれかに該当した場合、ATT投与中止
- 5個以上の脳微小出血
- 脳表ヘモジデリン沈着症
- 1cmを超える脳出血
- 2回以上のARIAの発現
- 重度のARIA症状
- 抗凝固剤の投与が必要となった場合
BPSDへの対応
幻覚・妄想、不安・焦燥について
もともとの認知症を背景として、さまざまな要因が相互作用した結果、生じることが多く、薬物療法を始める前に、十分に原因を検索・検討し、その解決策をはかる必要がある
例えばアルコールや薬物による精神症状や、身体疾患に随伴する精神症状であれば原因物質の使用を中止したり、原疾患の治療を行う
幻覚・妄想
幻覚のなかでは幻視が多く、DLB患者に特に出現しやすい
妄想には
- 物盗られ妄想
- 被害妄想
- 嫉妬妄想
などがある
家族が偽物にいれかわっている と言う「カプグラ症候群Capgras syndrome」がみられることもある
認知症の妄想は、認知機能低下による置き忘れやしまい忘れが、盗られたという妄想に発展し、身近な介護者を攻撃したりすることがある
頭ごなしに叱ることが興奮をあおる可能性がある
- 患者の話をゆっくりと聞く
- 一緒に探す
- 一緒に悩む
- 代替品を用意しておく
- 患者に見つけさせる
といった対処が望まれる
これで日常生活に支障がなければ薬物療法はせず経過観察をする程度でよい
家族のなかの特定の人が妄想の対象となる場合は、介護サービスなどを利用して、時間的・物理的距離をとる対応法が有効である
それでもだめなときに薬物療法を検討するが、認知症診療ガイドライン2017では
- 大うつ病の状態
- 他者に危害を与える可能性が非常に高い妄想
- 自分や他者を危険にさらす原因となる攻撃性
のいずれかがある場合に抗精神病薬を含む薬物療法を検討するとされている
抗認知症薬
AD患者の幻覚・妄想が抗認知症薬の使用で軽減する場合もある
メマンチンの仕様で幻覚・妄想が軽減したとの報告がある
まず考える薬剤
非定型抗精神病薬
認知症に対しては保険適応外
器質的疾患に伴うせん妄・精神運動興奮状態・易怒性に対してクエチアピン、ハロペリドール、ベロスピロン、リスペリドンの保険適用外使用が2011年認められた
やむなく使用する場合も10週間ほどの短期間が望ましい
リスペリドン
- もともと統合失調症の幻覚・妄想を改善させるための薬剤
- 認知症に伴う幻覚・妄想に対しても有効
- AD患者に用いる場合、1日量0.5-1mg程度で十分な効果を得られる場合が多い
- 錐体外路症状や傾眠といった副作用が、2mgを超える量での内服で出現しやすい
オランザピン
- AD,DLBの幻覚・妄想で効果が期待できる
- 1日量2.5mg有効な場合あり、不十分なら漸増し、10mg程度まで
- 副作用に傾眠、過鎮静、歩行障害、血糖値上昇、体重増加
- 糖尿病患者には使用禁忌
- 高齢者では転倒に注意
クエチアピン
- ADに対する有効性報告
- 1日量25mgで開始し、増量検討 150-200mgまで
- 血糖値上昇の副作用あり、糖尿病患者には禁忌
アリピプラゾール
- 幻覚・妄想や不安・焦燥に対する効果が期待
- 1日量3mgの内服から12mgまで様子みながら
ベロスピロン
ADに対して1日量4-24mgの仕様で効果がみられた報告がある
ハロペリドール
- 現在は、有害事象が多い定型抗精神病薬はほとんど使われない
- 錐体外路症状が出現しやすいためごく少量からの開始
抑肝散
- ADやDLBの幻覚・妄想に効果的と報告されている
- 偽性アルドステロン症による低カリウム血症には注意
- その他の副作用が比較的少なく使用しやすい
不安・焦燥に対する薬物療法
抗認知症薬
- ドネペジルがADの不安に対して効果がみられたと報告あり
- リバスチグミンはDLBに効果が期待できる
- メマンチンも不安軽減の効果が期待
抗不安薬
- ベンゾジアゼピン系抗不安薬は軽度の不安症状を緩和するために有用
- 有害事象出現には十分な注意が必要
- 特に長時間作用型は体内蓄積しやすく、主に短時間作用型が用いられる
- 有害事象は、過鎮静による日中の眠気や筋弛緩作用によるふらつき、脱抑制など
抗うつ薬
セロトニン作動薬のトラゾドンがADの不安症状に効果がみられたとの報告があり、使用を検討してもよいかもしれない
非定型抗精神病薬
幻覚・妄想、興奮などに使用される非定型抗精神病薬は、不安に対しても効果が期待できる
抑肝散
抑肝散が認知症の不安に対して効果があると報告されている
うつ症状とアパシー
うつ症状
脳に器質的変化があるとうつ症状が生じやすくなる アルツハイマー型認知症では抑うつ気分は40−50%にみられ、10−30%はうつ病の診断基準を満たすといわれる
仮性認知症
仮性認知症にも注意が必要である 高齢の鬱病患者にみられる、一時的な認知機能低下である
特徴として
- もの忘れの自覚がある
- もの忘れを深刻に感じ悲観的になる
- もの忘れを過剰に気にする
- 微小妄想・貧困妄想・罪責妄想などを伴う
アパシー
うつ症状とよく似た症状にアパシーがある。前頭側頭型認知症(FTD)やADで特に多く、BPSDのなかでは最もよくみられる症状である DLBでも過半数にアパシーがみられる
アパシーとは、自発性の低下、やる気のなさなどにより日常生活活動が減少することである 趣味、家事、対人交流などに興味を示さなくなる
うつ症状への対応
うつ症状に対しては、まずは環境調整や介護者の接し方の工夫をする
非薬物療法ではソーシャルサポートの利用、回想法、音楽療法などが有効である
それでも改善がみられない場合に薬物療法を検討する
コリンエステラーゼ阻害薬
副作用が少なく、中核症状に対する効果も期待できるため、まずこれを投与する ドネペジルの投与によりADのうつ症状が改善したとの報告や、DLBのうつ症状がリバスチグミンの投与で改善したとの報告がある
抗うつ薬(SSRI, SNRI, NaSSA)
従来の抗うつ薬と比較して抗コリン作用などの副作用が少なく、安全性に優れる
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
- フルボキサミン 25mgで開始 50-150mgまで増量 デプロメール
- パロキセチン 5-10mgで開始 20-40mgまで増量 消化器症状に注意 パキシル
- セルトラリン 25mgで開始 50-100mgまで増量 ジェイゾロフト
- エスシタロプラム 10mgで開始 100mgまで増量 レクサプロ
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
- ミルナシプラン 12.5mgで開始 100mgまで増量 トレドミン
- デュロキセチン 20mgで開始 40mgまで増量 サインバルタ
- ベンラファキシン 12.5mgで開始 50mgまで増量 イフェクサーSR
NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)
ミルタザピン 7.5-15mgで開始 30mgまで増量 リフレックス
従来の抗うつ薬(三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬など)
最近は用いられない 特に三環系抗うつ薬は抗コリン作用を有するためADの悪化をもたらす可能性があり使われない
抑肝散
抑肝散の使用でADやDLBのうつ症状が改善したとの報告がある
アパシーへの対応
本人が苦しんでいる場合は、うつ症状を念頭におき、介護者が苦しんでいる場合はアパシーを念頭におく
意欲や自発性が低下し、本人は苦悩を示さない
非薬物療法として、参加者手動の双方向性のディスカッション、作業療法士が家族介護者を指導しつつ行うパズル、木工作業、キャッチボール、音楽鑑賞など
症状はうつ症状に似るが、抗うつ薬による治療効果は期待できず、逆にアパシーが誘発される可能性がある
コリンエステラーゼ阻害薬
認知症のアパシーについて効果がみられることがある
AD,DLBのアパシーにはまず試みる
ドパミン作動薬
VaDのアパシーではドパミン作動薬の効果が期待できる
アマンタジンはVaDでは保険適用があり、使用しやすい ただし、幻覚やせん妄などの副作用があり、慎重に少量使用する
脳循環代謝改善役
エセルゴリンは広く脳血管障害の治療に用いられており、脳血管障害後遺症に伴う意欲低下に対し保険適用が認められている
VaDのアパシーではニセルゴリンの使用を試みてもよいだろう
漢方薬
抑肝散とドネペジルの併用によりアパシーが改善したとの報告があり、併用を検討してもよい
睡眠障害
認知症と睡眠障害
睡眠の断片化が起きる
体内リズム circadian rhythmは視床下部の視交叉上suprachiasmatic nucleus(SCN)にあり、体温、脈拍などの自律神経系に加え、ホルモン分泌、免疫系、代謝系などの整体活動を整えている
体内時計機構の調整に、メラトニンが知られているが、高齢になると分泌量が少なくなる
睡眠障害の治療の進め方
むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害、睡眠時無呼吸症候群などがあることがあり、よく聞き取りを行う
睡眠時随伴症にレム期睡眠行動異常症 REM sleep behavior disorder(RBD)がある
これは、レム睡眠期にみられる筋緊張低下が障害され、夢の中での行動を反映する複雑で異常な行動として現れる
DLBの中核症状として位置づけれられる
- 環境の変化、ストレス
- 飲酒やカフェイン
- 内服薬
- 日中の活動量
- 光曝露量の変化
- 頻尿、疼痛
などいろいろな因子を検討する
まずは非薬物治療を行ってから、必要な場合のみ薬物療法の検討を行う
薬物療法
従来、ベンゾジアゼピン系睡眠薬が主流であるが、依存の形成、呼吸抑制や誤嚥、健忘やせん妄、筋弛緩作用による転倒や骨折の危険などから高齢者、認知症患者への導入には十分な注意が必要
作用時間の長い薬剤は、転倒リスクがあがり避けるべき
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
構造式は異なるが、BZ受容体を介するためBZ受容体作動薬に位置づけられている
これも、転倒、骨折のリスクはあり、導入にあたっては注意して行う
超短時間作用型として
- ゾルピデム
- ゾビクロン
- エスゾピクロン
がある
ベンゾジアゼピン系睡眠薬
認知症患者、高齢者では有害事象を起こしやすいため推奨されない
メラトニン受容体作動薬
ラメルテオン(ロゼレム)は、SCNの睡眠誘導に関連するメラトニン受容体MT1受容体と、睡眠位相変動作用に関連するMT2受容体に選択的に作用し、睡眠効果を発揮するとと考えられている 安全性が高いとされ、ラメルテオン4-8mgの投与を考慮してもよい
オレキシン受容体拮抗薬
覚醒維持に寄与している神経ペプチドのオレキシンの受容体への結合を阻害することで覚醒状態を抑制うsる
依存症やせん妄予防などの点でメリットがあるとされ、認知症に対してスボレキサント(ベルソムラ)15mgを考慮してもよい
抗うつ薬
5-HT2A阻害作用をもつトラゾドンやミアンセリンは不眠に対しても使われてきた ミルタザピンにも催眠作用があり、使用を考慮してもよい
非定型抗精神病薬
不眠治療に用いられることがあるが、適応外使用であり、注意する
リスペリドンの有効性を示すデータもある
クエチアピンは錐体外路症状が少なく、DLBでも副作用が出現しにくいかもしれない
抑肝散
不眠症の適応もあり、使用を検討してもよい
コリンエステラーゼ阻害薬
軽度〜中等度のアルツハイマー型認知症患者にドネペジルを投与することにより、総睡眠時間の延長、睡眠潜時の短縮、レム睡眠比率が増加したとの報告がある